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2011/03/03.Thu

「冷たい熱帯魚」

園子温監督の「冷たい熱帯魚」を観てきました!

いやあ…とにかく。
すごかったです。
グロかったけど。
でも、ものすごく見応えのある作品でした。
これ観ないままロードショー終わってたら、とんだ大損するとこだった。

観た人と感想を語り合いたい!
でも、わたしの周りに、この映画を観そうな人は皆無ですな…
まっ、当然です。
R-18指定ですし、イケメンはゼロですし。
ママ友なんかに勧めたら、影口叩かれて村八分にあいそうw
鑑賞後のランチ会は、まずムリでしょうしねー!

だけどわたしは、どーっしても観たかったんです、、、、

ブラックでんでんが←

意を決して観るまでに、だいぶ時間がかかっちゃいましたが、観てよかった。
2011年、まだ5本しか映画館で観てませんが、現在ぶっちぎりトップの今年のベストムービーです。

涼くんファンの方で、この作品を観る方は少ないと思いますが、一応完全ネタバレ注意!とさせていただきます。

続きは下からどうぞー(´∀`)ノ 
主人公は、熱帯魚店店主の社本(吹越満)。再婚した奥さん(神楽坂恵)と、自分の連れ子の仲が悪く、会話のない冷え切った家庭を、見て見ぬフリして過ごしています。そこでふと知り合った別の大型熱帯魚店を経営する村田(でんでん)。ひょうきんでノリがよく、妙なカリスマ性のある村田に乗せられて、一緒に仕事をするのかと思いきや…怪しげな熱帯魚取引に巻き込まれ、目の前で殺人が起きて…ってお話です。

wiki先生によりますと、実際に起こった、愛犬家連続殺人事件を題材にして作られた映画だそうで。。。はい、記憶にありますよ、確か死体が全然出てこなかったアレですよね?!

死体がないってことは、どういうことか、、、、そう、そういうことです。
村田の言葉で言うと、「ボデーを透明にする」ってことです。†ヽ(゚ロ゚;)キェーッ!
映画GANTZが「グロい」感じた人は、この映画はか く じ つ に 観ない方がいいです。
観た直後、肉は絶対食べられないと思いますし、、、(´Д`|||) ドヨーン
スペアリブは100%ムリだと思います、、、オ、オエッ(思い出した)

でも、ただグロいシーンを売りにしたスプラッタ映画じゃないです。
血と肉を通わせて、「生きる」ってどういうことだろう?
自分の足で立つって?
そんなことを考えてしまう、深ーい映画でしたし、俳優陣もサイコーでした。
うええええってなりながらも、一瞬も目が離せない、一級のエンターテイメント作でもありました。

プラネタリウム好きで、ロマンチストの吹越さんに、ブラックでんでんが、
「お前は地球が青くてツルツルだと思ってる。オレにとっちゃ地球なんてただの岩の塊だ」って
言うんですけど、この映画の言いたいことは、つまりそこなのかな、と。

小さな不満や憤りを、見ないフリしたり、鬱々と胸に溜め込んだりして、わたしたちは多かれ少なかれ、自分の見たいものだけを見て、卑屈に小賢しく生きてる面があるんだと思うんですよね。
この映画の中の社本もそう。若くてセクシーな奥さんもらって、でも誰もちっとも幸せそうじゃなくて、それを自分で解決しようとせず、妻と娘が仲良くなるあり得ない図を妄想してるだけ、という。

でも、村田は違う。
何も美化しないし、自分の欲望にただ貪欲です。
邪魔な人間は物理的に「透明に」しちゃう。
そのための不快な「死体の透明化」作業は、自分の知恵と力で、
笑っちゃうほど淡々と、自信たっぷりにこなしてしまうわけです。
(なんで醤油をかけるのかは謎でした。なんで醤油なの?w)
死体の処理シーンはひときわ明るく、村田の妻を演じる黒沢あすかさんも、このシーンが一番輝いてたと言えるくらい。
残虐なシーンなのに、なぜか笑ってしまう、、そんな場面がいくつもありました。

でんでんさんの村田は、普段は誰をも笑顔にしちゃう面白いおじさんなんですが、カチカチと少しずつ何かがスライドしていくように、猛毒の危険人物に豹変するのが、怖くて怖くてーーー!!
あの、いかにも無害そうなでんでんさんが、「あ、なんかこの人ヤバイかも…」って本能的に危険な匂いを感じさせるんですったらー!!
フツーの延長線上にある恐怖が一番怖いって、よく分かりました。

恐怖で人の心をコントロールするっていうと、ひたすら脅してすかして…ってイメージしてしまいますが、この映画観てると、そうじゃないんだなって思いました。
いかついヤクザもんが凄むシーンもあるんですけど、全然怖くありませんでしたねー。

人が人を精神的に服従させることが出来るのって、「普通」と「恐怖」の境界線が限りなく曖昧になった時だと思いましたね。
村田に精神を支配されたモードの吹越さんがとってもイイ!
怯え方、頭を抱えて縮こまる姿、嫌な記憶を拒否する気の抜けた表情。
どれをとっても素晴らしかったですけど、被害者の弟が、兄の行方を問いただしに村田の店に乗り込んでくるシーンのお芝居がよかったですー!

弟との対峙に備えて、嘘のセリフを練習させられるんですけど、「もうちょっと自然にできねーのかよー」とか「このセリフ言い忘れてる」とか、ドS全開の村田とその妻にガンガン突っ込まれて、その度「演技をする演技」する吹越さん、、、天才!
ちょっとのセリフ回しの違いで、社本の心情を表現する吹越さんがよかったです。
「本番」はかなり笑ってしまいましたがw

結局村田は、社本を精神的に追い詰めて、反撃されちゃうんですけど、これって村田の緩慢な自殺と受け取りました。

村田って、人の本質を瞬時に理解する能力があるんでしょうね。
社本を容赦なく罵倒するんですけど、村田の言うことがみんな的を得ていて、
見て見ぬフリしてる部分をグリグリえぐり出してくる。
地球は青くなんかない、味気ない岩の固まりなんだよ、目を覚ませって。
で、結局最後は覚醒した社本に殺されてしまう。
これは多分事故ではなく、村田の自殺だろうとわたしは思うわけです。

社本の方も、究極の支配関係から脱するには、自分が支配者と同化するしかないわけで。

覚醒した社本は、放置してきた家庭の不和に自分の手でケリをつけます。
それに対する社本の娘の反応がねえ…これまた怖い。

父親が身をもって示した、生きることの強烈な痛みを目の当たりにして、怯えて反省するのかと思いきや、「やっと死んだクソジジイ!」ですからねー。

今の若い人は、覇気がないとか草食系とか言われてますけど、
違う意味で恐ろしく残酷でたくましいんじゃないかと、思っちゃいました。
見た目に分からなくても、こんだけ生命力ありゃー大丈夫だよなあ、と。

社本の妻を演じた神楽坂恵さん、村田の妻を演じた黒沢あすかさん。
お二人に心の中で拍手喝采送りました。
脱ぎっぷりも素晴らしいし、エロシーンも本気です。
こういうことが出来る女優さんを、もっと見たいのにー。
日本の女優さんは、寝る時もメイクしたままですからね、げんなりですよ。

登場人物ほとんど死んじゃいますけど、この映画のテーマは、「生きること」
キレイ事ゼロの生きることってなんだろう?
いつまでも、いつまでも考えてしまう作品でした。

もし観た方がいらっしゃったら、ぜひ感想聞かせてください。

追伸:デカワンコを見ると、吹越さんが社本に見えてしまいそう…w
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映画のおはなし | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
透明化
未見ですが…ななこさんの熱がこもったレポ拝見して心が揺さぶられました。
日本映画でここまでやるのは珍しいですね。
涼くんの透明感アップ、とは全く関係がなく、でんでんさんによる「ボデーの透明化」。
コワイですね(^_^;)
こんなにまで突き詰めて自分を生きてる。
もっとこわそうなのはそれに同化してる奥さんだな。

凄まじいまでの描写の表面的なところにとらわれると、作品の本質にたどりつけないような、見る人の覚悟も問われる作品ですね。
Re: 透明化
>くららんさん

すごかったですよー!!
でも、ダメな人にはダメだと思います。。。
どんどん狂っていくし。

でも、俳優さんたちがみんな輝いてました!
でんでんさんも吹越さんも黒沢さんも、ここまで極限の演技を引き出せる園監督って、スゴイと思いました。

もう一回観たいけど、観れるかなーw

冷たい熱帯魚は見て居ないのですが、色々と話題になっているので観たいです。園監督の「愛のむきだし」を観たときに今までの映画鑑賞とは全く違う経験をして驚きました。こう言う映画こそお金を払って見る価値があるなと。確かに日常の会話で少し話題に出しにくいテーマばかりとりあつかっていますが、そう言う話題ほど他の人の意見を聞きたくなりますよね(笑)。なのでななこさんのレビュー読んでいてとても興味深かったです!d(^_^o)
Re: タイトルなし
>TURBOMOMOさん

わたしはまだ「愛のむきだし」を観ていないのです。満島ひかりちゃんをつい最近まで知らなかったのは、これを観てないからなんですねえ…勉強不足orz

映画館で正規料金を払って観ましたが、日常では絶対にできない経験が出来た二時間でした。
衝撃的ってこともありましたが、なんだか色んなことを考えさせられて。
払ったお金以上のものを持って帰れたかなーって思います。

決して誰にでも薦められる映画じゃありませんが、
機会があったらぜひご覧になって、感想聞かせてくださいね\(^o^)/

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